今回のボトム・キャップ・デザインは、エッジを効かせないラウンディッシュなコーナーを持つ。

フェイス部分は、キズを付き難くするために、若干のオフ・セットにしてある。
今回はダーク・トーンを基調としたパーツ構成でひたすらシブく、をテーマに仕上げてみた。
ボトム・キャップはバー・ストック・ブラスからの削り出しでワン・オフとして製作している。

リール・シート・フィラーのウッドと同調するこのチャコール系の色調は、オリジナルの特殊な表面処理による。
いわゆる黒染め液などではなく、ナチュラル系の溶剤を使用し焼きを入れながら目的の色調を出していく。
よって、溶剤の掛け方、焼きの入れ具合などにより毎回色調が変化する。
つまり、全く同じ色合いを作り出すことはほぼ、不可能に近いのである。その意味でも完全一点モノとなる。

今回は何度もやり直した結果、イメージしていたアンティーク調のシブイ色彩を出すことに成功した。
ベタの単調な色ではなく、ビミョウなグラデュエーションや透明感があり、さらにこの製法だと使い込むと擦られたところが自然に色落ちしていき、独特の味わい深い表情を形成していくのである。